業平ユウの少食ライフ

── 一日一食を目標に、食生活の転換日記 ──

趣味と食事

 私は趣味で自転車に乗ります。
 レースに出たり信じられないような長い距離を走ったりするアスリート自転車乗りではなく、気ままにサイクリングを楽しむということを続けているだけですが、ことに食事という点に関してはアスリートの方同様にお腹がすきます。
 食べてナンボとも言える趣味かもしれません。

 ハンガーノック、という言葉があります。登山家やハイカーが使うシャリバテと同じ意味です。
 長時間の運動で極度に血糖値が下がった状態になっていることと言われますが、まあ簡単に言ってしまえば「おなかがすきすぎて栄養もなくなって動けない」と言えるでしょうか。
 あれ? だるいのかな? などと思うわけです。やがて思うように身体が動いていないことに気づくのです。意識ははっきりしているし、気持ちもどんどん進もう、前へ前へと働きかけます。しかし身体だけまったく動かない。なかなか不本意なものです。
 今のところ解は「食べること、飲むこと」しか持っていません。手っ取り早くはコーラが効きます。コカ・コーラなら赤、ペプシなら青い、砂糖を使っているやつ。甘味料を使って糖質ゼロとしている黒のものはコカ・コーラにせよペプシにせよ効きません。あとは食べる。食べる――は身体に追いついてくるまでに時間がかかるのですけどね、いずれにしても食べることが必要です。

 サイクリングでハンガーノックになるのは、サイクリングが楽しくないばかりじやなくて危険なときもあります。そこで身動きが取れなくなってしまったら家に帰ることもできないのだから。
 少食思考とは反対の考え方を持ち込まなきゃなりません……。

 私の現時点での結論としては――、あきらめてます。自転車に乗る日は食べるつもりでいます。
 先日乗った日にも、朝、出発の少し前に食べました。ガッツリ食べたわけじゃありません。量はかつてよりも少なめかな。それから途中ではようすを見つつ、食事を摂るようにしました。

 かつてのハンガーノックの記憶が深く染みついてしまっていて――それはコンビニはおろか人家も自販機もない場所で、電柱電線を見なかったからおそらく電気すら来ていないのでしょう、その場で倒れることさえできない状況でした。頭をからっぽにして、考えることに使うエネルギーさえ自転車で進むチカラに回すほどでした――それが恐怖で、朝食抜きや事前の食事を摂っていない状態で自転車に乗るのは正直まだ怖いです。

 このときばかりは脱・少食ライフになってしまいます……。